イタリアでのワインの作り方
ワインを知る
ワインの製造にはふさわしい環境と製造方法が必要です。
また当然ながらワインの種類によっても製造方法は種々存在します。
世界最大規模のワイン生産国イタリアではどのようにワインが作られているのでしょうか。
赤ワイン
まず、収穫されたブドウは劣化しないう内に、醸造所へ積み込まれ、処理がなされます。ぶどうの茎を除去し、皮や種子ごと破砕機で砕かれます。ここで粗くつぶされたぶどうは発酵槽に入れられ、ぶどうの中の糖分と、加えられた酵母の働きでアルコールと二酸化炭素に変化していきます。
発酵用のタンクは木製のほか鉄製やステンレス製のものが使われます。最近では温度管理や衛生面で管理のしやすいステンレスが多くつかわれます。この過程で温度管理が繊細かつ慎重に行われ、アルコール発生のための十分な発酵と、赤ワインに必要な色素の抽出が管理されます。
発酵が過ぎるとアルコールだけが強くなりワインの繊細な味わいが失われますが、抽出が不十分だと赤ワインのあの鮮烈な色が出ず、とても難しい作業です。アルコール発酵が終わると、色素抽出のためさらに果皮とともに醸造されます。発酵の過程では、アルコールに加えて乳酸発酵という過程も行われます。
乳酸によってワインの中のリンゴ糖を、酸味のより優しくまろやかな乳酸に変化させる過程です。マロラクティック発酵とも呼ばれます。そしてここからワインとなる液体を圧縮するなどして抽出が完了され、樽に詰めて貯蔵・熟成されます。ここで使われる樽の種類や使用頻度、熟成年数によってその個性を生み出していきます。
澱の除去や卵白などを使った清澄化のあと、濾過器にかけて濾され(ワインの風味や味の成分も変化してしまうため、無濾過も多数扱われる)、瓶詰とコルク封をして出荷となります。
白ワイン
赤ワインと違うのは、その果皮を使わない点です。ぶどうの皮に赤の色素が含まれているので、それを除去してから果汁だけで発酵を行います。ですのでマスカットだけが使われているという訳ではなく、赤ぶどうからも白ワインは作られます。
そしてぶどうの果実を破砕機にかけた後、直ちにプレスして果汁を絞り出します。このぶどうのジュースになったところから発酵が行われ、透明の色を保ったままアルコール発酵と温度管理が行われます。品種によっては酸味がもともと弱いため、乳酸発酵は行われないことがあります。
まとめ
ワインの生産過程は非常に繊細で、その作業がワインの深い味わいにつながります。簡単にですがこうしてその過程をしると、ワインへの思いを馳せることができます。
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