イタリアの土地柄と栽培環境
イタリアでのワインの生産
誰もが認めるワイン王国イタリア。フランスと並んでワインの生産世界一を常に競います。
イタリアでのワインの歴史も古く、その種類の豊富さと情熱はまさにほかの追随を許しません。
イタリアではなぜこれほどワインが有名になることができたのでしょうか。ワインの生産環境やぶどうを取り巻く土地柄などを見ていきましょう。
土地柄
ヨーロッパの南部に位置するイタリアの国土は地中海にその一部を突き出し、面積は30万平方キロメートルほどです。国境はフランス・スイス・オーストリア・スロベニアと接し、アルプス山脈ともつながる部分には標高4000メートル以上の山々を擁します。
またアペニン山脈との間には広大な平野も抱え、バリエーションにとんだ地形に恵まれています。気候も同様で、夏季は高温で乾燥をもたらし、冬には厳しい寒さと同時に雨季を迎える典型的な地中海性気候です。
北部は大陸の中に位置するため寒さが一段と厳しくなるのに対し、南部は海を望む位置にあるため比較的温暖です。このような気候も地形も異なるイタリアで、なんとぶどうは全国で栽培されています。
ぶどうが栽培される環境
フランスもワイン大国ですが、異なるのは国土の面積。フランスはイタリアの約倍の面積を持ちますが、ぶどう栽培に用いられている農園の面積はほぼ同じ。しかもイタリアでは全土でぶどう栽培が盛んですので、ことぶどうの栽培効率で言うとイタリアが世界一と言えます。
この全国で同じ果物が名産というのは不思議な話です。他の大抵の国々では、この地域ではこの特産物、よそではこれ、といった具合にかならず違いが出るものです。でもイタリアでは寒いところでも暑いところでも、標高の高いところでも低いところでも、ぶどうの栽培がとにかく盛んです。
それはつまり、イタリアの気候がぶどう作りに適しているからに他なりません。一般的な指標ではぶどう栽培に必要な降水量は年間900ミリ以下とされています。イタリアでは夏季に乾燥しやすく、しかもぶどう収穫の時期までに大量の雨は降らないため、一年を通して安定して収穫が見込めます。
ぶどうは水に弱く、特に成長期に水を吸ってしまうと実が痛み根を深く張れないという特性を持っています。なので冬季に雨が集中しぶどうの成長する時期には雨が少なく乾燥し、逆に太陽の日差しが強くなるイタリアの気候は、ぶどう作りに最適であると言えます。
まとめ
こうしてみると、イタリアでなぜワイン作りがこれほど盛んなのか理解できますね。イタリアワインを楽しむ機会がある暁には、その土地柄と太陽の恵みに思いを馳せてみるのはいかかでしょうか。
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